疾風知勁走 佐藤信春

福岡国際クロスカントリー大会・びわ湖毎日マラソン

それぞれの大会の調整も大詰めに入った2月23日
気象庁は、関東地方で「春一番」が吹いたと発表しました。
昨年より9日遅いということです。今年はとにかく強風が吹き荒れました。
「風が吹けば桶屋が儲かる」と言いますが、びわ湖の郷土料理で有名な鮒寿司は
桶に入れ塩漬けにして醗酵させて一年ほどで熟成させるらしく
「鮒寿司用の桶も少なくなるのだから希少価値となり値段もあがるのだろうか?」
などと実際にはあり得ない想像をしてしまいました。

前置きが長くなりましたが、3月1日福岡国際クロカン
2日にはびわ湖毎日マラソンが開催されました。
結果はホームページでご覧の通り、連日、玉砕されました。
いずれの大会もタフなコース、タフなレースでした。
とにかく力量不足の一言に尽きます。足下もおぼつかない状態でした。
「一升の枡には一升しか入らない」ということなのでしょう。

自動車で言えば燃料計がF(full)を示していても
排気量によってタンクの大きさはさまざまです。エンジンも違えば燃費も違います。
選手の力量(器)も同じことです。その力量以上で走行するなら
燃料は底を尽き、E(empty)を示し、ガス欠をおこしてしまうでしょう。

しかし、選手の器は、自動車と違って未知数です。マラソンを始めとする長距離種目は
後天的な努力でその器 (枡?桶?) を大きくすることが可能な競技です。
それには、どんな状況下でも走れる力量(器)を大きくすることが
重要になってくるのだと思います。
そのタフさを身に付けるには環境の整ったところだけが練習場所ではありませんし
日常生活においても練習の一部と考えなければいけないのだと思います。

練習の段階で気象条件や日常生活のさまざまな状況により
神経質になりすぎることがあります。 
例えば、本当の疲労と疲労感とは違いますし
やってみたら思っていた以上にできたということはよくあることです。
人はあまりにも神経質になりすぎるといろんなことが気になり出します。
「あの時、ああしておけば、こうしておけば良かった」と「おけ(桶?)ば」
ばかり多くなってきます。【これでは、桶屋は儲かりませんね(笑)】
そして体調の変化をもたらすのだと思います。
上述したように「・・・おけば」と、あとで気が付いても成果は得られないですし
期限切れの入場券に等しいのです。

「心こそ 心惑わす心なれ 心にぞ 心 心許すな」

                   沢庵禅師(たくあんを考案した有名な江戸時代の高僧)

たまには、自分の心、すなわち脳からの指令に背くことも
器を大きくするための重要な「脳(心)を鍛える」トレーニングなのでしょう。

成果のない努力を徒労といいますが、陸上競技に限らず
人の努力にはある面で成果があがらないことがあります。
しかし、長期的にみればそれが徒労でなく
違う場面で成果として現れるということもあります。
インスタント的に即効性だけを狙うには性急すぎますし、ものが熟成するには
それに見合う手間と醗酵する時間をかけなければならないのでしょう。(鮒寿司のように)

今般の2大会とも、熟成したベテランの二人が日本人トップとなりました。
おそらく、この勝者たちも、そこに至るまでには、さまざまな苦難があり
自分の足下を見直すことから始め、熟成していったのではないかと推測できます。
まさしく、それを実証してくれたのですから競技者のお手本とするべきでしょう。
さあ、選手諸君!
高い目標に向っての努力が徒労に終わらないためにも
私たちも、まずは、自分の足下から見つめ直そうではないか。

「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)
禅寺にはこの四文字熟語が例外なく掲げられているそうです。
「足下を照らし顧みる」と言う意味で履物を揃える作法があるそうです。
【家内には履物以前に「靴下を裏返しにしたままで・・・」とよく叱られますが
私自身も、日常的なところから改めなければならないのでしょう。(笑)】
陸上競技で言うなら、まずは、自分のシューズを揃え
今の自分を見つめ直そうということなのでしょうか?

しまりのない文章になってしまいましたが
びわ湖では、選手のご家族も応援に駆けつけて下さり、とりわけ、後藤選手においては
レベル的には低い記録ですが、自己記録を10分近く短縮できたのは
ご両親の熱い声援が後押ししてくれたからだと思います。
応援いただいたみなさま、支店関係各位、両大会でのご声援ありがとうございました。

   

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びわ湖毎日マラソン(皇子山陸上競技場にて)

 

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福岡国際クロスカントリー大会(海ノ中道クロスカントリーコースにて)

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