JALグランドサービスの仕事 Our Business 01
  • 搭載

  • - 離発着に直結する重要なポジション -

グランドハンドリングの
核となる役割

搭載が担当するのは、名前のとおり貨物や手荷物スタッフが用意したコンテナを航空機に積み込み、卸す業務です。

フライトを終えた航空機がスポット(駐機場)に到着すると、一斉に地上スタッフが動き始めます。パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(搭乗橋)が機体に接続されてお客さまが降機し始める頃には、すでに貨物室から次々にコンテナが運び出され、小さなトーイングトレーラー(TT車)が5つも6つもコンテナを引っ張って走り去っていきます。

同時に、お客さまが降機した航空機は、すぐに次のフライトに向けた準備を始めます。手荷物や貨物スタッフが準備したコンテナが機側に運ばれ、手際よく搭載されていきます。そして、お客さまが搭乗したら、いよいよ離陸に向けた最終段階となります。

搭載業務は、貨物や手荷物スタッフの仕事を引き継ぎ、到着空港の搭載スタッフに渡すという一連の流れのなかで、さまざまな部門のスタッフがかかわる重要な役割。グランドハンドリングの核となるポジションなのです。

いかなる状況にも
対処するロードマスター

搭載業務はフライトの安全と定時性を守る重要な役割を担っています。その業務を指揮するのがロードマスター(搭載監督者)と呼ばれる責任者。ロードマスターは作業工程を確認しながら、搭載業務全体を指揮していきます。航空機が安全に飛行するためには重量バランスがとても大事で、貨物室に搭載するコンテナはあらかじめ搭載場所が決まっています。所定の位置に搭載されているか、確実に固定されているかという最終確認は、このロードマスターが行います。

また、刻々と変わる現場の状況を見渡し、関係部署と連携を取ることもロードマスターの役目。例えば、コンテナは搭載順に用意されるとは限りません。貨物室の奥に積む予定のコンテナの到着が遅れることもあります。そういったイレギュラーが発生したときに、コンテナの搭載位置を決めるウエイト・アンド・バランス担当者などと連携しながら対処します。

このように、各スタッフの仕事の進捗、搭載貨物の状況、フライトまでの時間を正確かつ迅速に見極め、最適な判断を下すロードマスターは、多くの知識と経験、どんな状況にも対応できるカリキュラムを受けた者だけが就ける職種です。蛍光ジャケットに付けられたオレンジ色の帯……それはすべての搭載スタッフが憧れるロードマスターの証なのです。

スタッフ紹介

経験と技術を積み重ね理想の自分へ 搭載 髙野 知佳子 株式会社JALグランドサービス大阪
経験と技術を積み重ね理想の自分へ 搭載 髙野 知佳子 株式会社JALグランドサービス大阪

地上から空の安全を支える

離陸に向けて動き出した航空機。
その傍らには安全に出発できるようフライトの無事と快適な空の旅を願って航空機に手を振る3人の姿があった。

手を振り返してくれたお客さまを見つけて、さらに大きく手を振る作業者。
それが伊丹空港で働く入社4年目の髙野知佳子だ。「手を振り返してもらえると嬉しいですね。次は17番スポットで到着作業です」
そう言い残して髙野はトーイングトラクターに乗り次の業務へ向かっていった。
控室での穏やかな口調、表情とは違った姿がそこにはあった。

グランドハンドリング
との出会い

髙野は高校3年生の時、次の進路として地元の大阪を離れて大学への進学を考えていた。

飛行機に乗り大学のオープンキャンパスに参加した際、学校の説明を聞いた髙野だが、自身が思い描いていたやりたいこととは少し違っていた。
別の大学にしようかどうしようか悩みながら帰りの飛行機に乗り込み、もやもやした気持ちを抱えたまま座席に座りふと窓の外に目をやると、そこに飛び込んできた光景がグランドハンドリングだった。

広いランプエリアで何台ものコンテナをけん引して運転する姿、大きな飛行機を押し出す姿、仲間と声を掛け合いながら何かを確認する姿。
「これだ!」その瞬間、髙野の心の中で進路は決まった。

搭載も誘導もこなす
多彩な女性スタッフ

冒頭、コンテナをけん引する小さなトーイングトラクター(TT車)を運転していた髙野だが、入社以来、お客さまが乗り降りするパッセンジャー・ボーディングブリッジ、手荷物や貨物を搭載するベルトローダー、航空機ドア操作資格等、様々な資格を取得してきた。最近では航空機をけん引するトーイングカーの資格も取得し、ますます業務の幅を広げている。

「初めて自分の運転でお客さまの乗った飛行機を押し出した時は素直にうれしかったです。ただ、とても緊張していたので細かい情景はあまり記憶にないです。資格が増えることで色々な業務ができるようになり楽しいですが、一方で業務の幅が広がることで責任も増します。そこがやりがいでもあります。」

学生の頃見た憧れの存在に
私もなる

「以前、母が展望デッキに見に来てくれたんです。」少し恥ずかしそうに話す髙野だが、自分の成長した姿を見せることができて嬉しそうでもあった。年々、仕事の幅を広げ成長を続ける髙野の今の目標は、誰からも認められるトーイングオペレーターになること。

「そのためには仕事のスキルや知識ももっと身につけないといけないですし、まだまだこれからですが一歩ずつ着実に理想に近づいていきます」と穏やかな口調で話す髙野の目は真剣そのものだった。

安全と定時性を守るのに
年齢も性別も関係ない

グランドハンドリングの世界は男性が多く女性ならではの苦労や葛藤があるのではないかと懸念してしまうのだが……。

「私以外にも女性スタッフもいますし、それは全然ないです。
早朝勤務や天候に関係なく働くという面では大変に感じることもありますが、屋外で働くからこそ感じられる気持ちよさもあります。
太陽が昇ってくるのを航空機の側で迎えられる瞬間は気持ちいいですよ。」髙野は続ける。
「私は体力的に自信があるわけではありませんが、私たちの仕事はチームで行っているので力仕事で困った時は必ず他のメンバーがフォローしてくれます。」休憩中、歳の離れた男性先輩社員とも談笑する髙野。そこには先輩、後輩分け隔てなくありがとうと声を掛け合う姿が。

仲間の想いを常に心に留めて 搭載 松田 拓 株式会社JALグランドサービス札幌
仲間の想いを常に心に留めて 搭載 松田 拓 株式会社JALグランドサービス札幌

北海道という地での仕事

「千歳の寒さはやはり体にこたえます。」そう語るのは、搭降載部門で働いている松田。冬の北海道はマイナス20度になることもあり、ほとんどの業務を屋外で行うグランドハンドリングにおいては過酷な環境下でもある。しかし、生まれた時からずっと北海道で育った松田にとって、新千歳空港で働くことは自然と意識をしていたという。高校時代、野球部の遠征で飛行機を利用した際、ふと窓の外で行われていた搭降載の仕事を見て、これがしたいと思い、専門学校への入学を決意した。

一歩一歩
プロフェッショナルに
近づいている実感

松田が働いている搭降載部門においては、様々な資格が存在している。

それだけに、一人前の作業者になる為には、沢山の資格を取得しなければならないが、資格を取る度にプロフェッショナルに近づいているという実感を持つことも出来る仕事である。「数ある資格の中でも特に思い出に残っているのは、航空機を牽引する為に必要な資格を取得したことです。学生の頃からずっと憧れに感じていた仕事であった為、資格を取得して、初めて自分で飛行機を牽引した時は、足が震えたことを今でもよく覚えています。」

日々の運航を担う責任

専門学校でグランドハンドリングを勉強していた松田にとって、入社前に描いていた仕事のイメージと入社後の現実に、ギャップを感じることは無かったという。しかし、松田は言う、「授業と空港では緊張感が全く違います。航空機の安全運航を担うというプレッシャーは、常に感じながら仕事をしています。航空機のエンジン音や空港の空気は、毎日仕事をしていても、なんとも言えない緊張感を感じさせてくれます。またそれが、グランドハンドリングでしか味わえない仕事の醍醐味でもあると思います。」

担う責任が重いからこそ、一日の仕事を終えたあとロッカーで感じる達成感がそこにはあるのだろう。

仲間に安心を
与えられるように

松田は今、搭載責任者(ロードマスター)という役割を担っている。「ロードマスターを行ううえで最も心がけていることは、周囲の仲間が安心して作業できる環境をつくることです。千歳空港の場合、天候等によって運航計画が変更になることは多くあります。タイムプレッシャーを感じるときでも、仲間が焦らせず、安全を最優先して作業できる環境作りを心がけています。また、ロードマスターは瞬間的に適格な判断をしないといけません。学んだ知識や経験を引き出しに入れ、いつでも引き出せるよう準備はしています。イレギュラーが起きても、いかに通常運航に引き戻せるかが、自分の役割だと思っています。」

穏やかな表情の中にも、会話からプロとしての誇りが感じられた。

自ら動き、
チャレンジし続ける

国内においては、羽田、福岡。海外はアイスランド、ギリシャ。今まで出張や派遣でさまざまな空港を経験してきた松田は、どの空港においても一番大切に感じたことは、コミュニケーションだったという。将来の目標を聞いたとき、松田は「新千歳空港にこだわることなく、いろいろな経験もしてみたいと思っています。自分の出来る仕事を増やし、どこでも活躍できる社員になりたいです。」と言った。入社12年目を迎え、部下や後輩も持つようになり、後輩には自分自身で気づいたことを行動に移せるような社員になって欲しい。と語ったった姿には、自分自身もそうあり続けたいという決意にも聞こえた。

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