JALグランドサービスの仕事 Our Business 02
  • 誘導

  • - 航空機を地上から自在に操る職人技 -

航空機を安全に誘導する
3つの役割

航空機を安全にリードすることが誘導スタッフの業務で、マーシャリング、プッシュバック、トーイングの3つが主な作業です。

着陸した航空機は、自走してスポット(駐機場)に入ってきます。このとき、航空機の前に立ってオレンジ色のパドル(または赤いライト)を振り、航空機を停止位置に安全に誘導する業務がマーシャリング。左右にも航空機が停まっているスポットに大きな翼を広げた到着機を誘導する重要な役割です。

大空を飛び交う航空機は最先端の技術を結集して造られています。しかし、そんなハイテクノロジーの塊でも絶対にできないことがあります。それが自走による後退です。お客さまを迎え入れ離陸の準備が整った航空機は離陸のために滑走路に向かうのですが、このとき航空機は空港ターミナルに向いています。

そこで登場するのがトーイングカーと呼ばれる巨大な自動車で、トーイングカーと航空機の前輪をトーバーと呼ばれる連結棒でつないで、航空機が自走できる誘導路(タキシングウェイ)まで航空機を押し出していきます。これがプッシュバックと呼ばれる作業で、誘導スタッフの業務のなかで中心となります。

このプッシュバックはとても難しく緊張感が伴う作業です。航空機の大きな翼が周囲の物に触れる危険や、離発着の多い空港ではほかの航空機との接触する危険もあります。また、天候や風向きによって離陸方向が変わり、それに伴って航空機を押し出す向きも変わります。しかも、航空機にはお客さまが搭乗しているのです。

トーイングカーを運転する誘導スタッフや航空機のパイロット、管制官などが連携して、細心の注意を払いながら安全に航空機を誘導していきます。

わずかな誤差も
許されないプロ集団

また、航空機を別のスポットや格納庫まで引っ張っていくケースもあります。これがトーイングと呼ばれる作業です。航空機を誘導路まで押し出す作業はプッシュバックと同じですが、トーイングはそこから航空機をけん引する作業が加わります。

少し裏話をすると、整備するための格納庫には航空機にあわせて作業場が組まれています。そこにトーイングで航空機を入れていくのですが、進入時に許される誤差は数センチの世界。誘導スタッフはそれほどのスキルを持ったプロフェッショナルな集団で、巨大な航空機を地上から自在に操るハンドルさばきは、まさに職人技なのです。

スタッフ紹介

世界最大級の
トーイングカーを操る

体の内側にまで響くほどのエンジン音を轟かせるひと際大きなトーイングカー。そこから降りてきたのは、端正な顔立ちでやや小柄な20代の好青年。トーイングカーの巨体とのギャップがあまりにも大きすぎて驚かされる。

「これは世界最大級のトーイングカーで、これに乗ることが夢だったんです」と、少年のような笑顔で話すのが成田空港の誘導課に所属する木澤大輔だ。

大きなものを動かす
夢を叶えるために成田へ

航空機が好き、空港が好きという理由でグランドハンドリングの世界に飛び込む若者が多い中、木澤は少し異なる。航空機よりもクルマが好きで、クルマを運転する仕事に就きたいと考えたそうだ。

「誰にも動かせない大きなものを動かしたくて、色々と調べてここにたどり着きました。成田空港を選んだ理由も同じで、世界で一番大きな航空機が飛んでくる空港だから、ここで働きたいと思ったんです。当時はジャンボ機が一番大きい航空機だったんですけど、その70mもある航空機を自分が握るハンドルで動かすことが夢でした。成田空港で採用が決まって誘導課に配属されたときは、本当に嬉しかったです。初めてトーイングカーで航空機を動かすときは、もう、武者震いがするくらいでした」。こうして木澤は夢を実現させた。

刻々と変わる状況に
対応するのがプロの誘導

言葉にすれば安全に航空機を押し、引っ張ることが誘導の仕事だ。だが、それは言葉で言うほど簡単ではなく、奥が深い。

「お客さまが搭乗している状態で航空機を押し出すプッシュバックでは、いつ動き出したのか、いつ停まったのかわからないソフトな運転を心がけています。安定して必要最低限の距離で誘導路上の停止位置にピタリと合わせることは当たり前ですが、天候や航空機の重量などの状況で感覚がガラリと変わります。もっと言えばスポットが違うだけで全然違います。また、周囲の状況も考慮しなくてはいけません。時には押している航空機のエンジンから排出される強風が周囲の航空機や作業員に当たらないように、停めるときに角度を付けることもあります。刻々と変わるそういった状況に対応できるのがプロのトーイングマンだと思っています」。

世界最大の航空機を操る
自分にしかできない仕事

そして前述の世界最大級のトーイングカー。これは世界最大の旅客機エアバスA380を動かせる唯一のトーイングカーで、この車両に乗る資格を持つ木澤は成田空港の誘導課のなかで最年少だ。

「エアバスA380は全長が73mもある巨大な航空機です。スポットは埋め尽くされているし、次から次に航空機が行き交う空港内で、これだけ巨大な航空機を動かすのは本当に緊張します。責任も重大ですから。でも、その反面すごくやりがいも感じます。夢でしたからね。それに、これは自分にしかできない仕事ですから。今、成田空港にエアバスA380が到着するのは1日に1便だけなので、担当になったときは本当に嬉しいですよ。無理がなければシフトを変えてもらいたいってお願いするくらいです」。夢を叶える情熱が木澤の原動力だ。

技術も対応力も高い
偉大な先輩を目指して

そんな木澤には目標の人がいる。すでに退職しているが、成田空港の誘導課では誰もが認めていた存在だ。

「誘導課に配属されたときの上司で、職人気質という言葉がぴったりな人でした。話しかけてもあまりしゃべってくれなくて、トーイングのことを教えて欲しいと頼んでも、『俺は教わったことなんかない。盗め』って感じで。ちょっと怖かったですね。でも、スキルは高いし、イレギュラー時の対応力は私なんて足下にも及ばないくらいで……。武勇伝じゃないですけど、たくさん逸話があります。本当にすごい人でした」。その人こそ、木澤が理想とするトーイングマン像そのものだという。

プロ集団の一員として
憧れをもたれる存在に

「個人的にJGSグループのグラハンは世界一だと思っています。それくらいの自負を持っています。そのなかで、成田空港の誘導課は誘導業務を専門的に行う唯一の組織。だからこそ、より高い専門性が求められ、イレギュラーが起こったときなど、どんな状況にも対応しなくてはなりません。それができてこそプロの集団ですし、私自身が憧れていた部分でもあります。そこの一員として働けることに誇りを持っていますし、いつまでも憧れの存在であり続けられるように努力していきます」。

誘導という夢を叶えた木澤は今、誘導のプロ、そして世界一のトーイングマンという新たな目標を目指して走り出している。

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